また子どもの頃の話を書いてしまいます。
家には組み立て式の滑り台があって、ある時期までは家の中で、ある時からは、庭の芝生の所に、祖父がその滑り台を設置してくれて、遊んでいました。小さくても家に滑り台があるのは、気分の上がることでした。組み立て式なので、滑り台はいつの間にか祖父によってしまわれていることもしばしばでした。
ある夜、布団に入って寝ようかという時に、
「そうだ、明日は滑り台であそぼう、おじいちゃんに滑り台を出してもらおう」と、ふと思い付き、枕元に置いていたメモ帳に覚えたての字で「すべりだい」と書いて、それはそれはワクワクとした気持ちで、明日の滑り台のことを思いながら、しあわせな気分で眠りにつきました。
その翌日、滑り台で遊んだかどうかは…さっぱり記憶が無いのですが、
つい昨夜、制作していて、「明日はどう筆を入れていこう…楽しみだ」と、煮詰まっている作品にもかかわらず、明日の制作を楽しみにするじぶんに気付き、ちょっとそれが嬉しかったのです。制作を素直に楽しみに思えるのだ…それでふと、翌日の滑り台を楽しみにした幼少の時を思い出しました。
夜更かしして制作するのは躊躇われ、筆を置き、床につき目を閉じて、仕上がっていく作品を想像しながら、ほんの少ししあわせな気分で眠りにつきました。