2021/03/30

春分の雑感

 春分、お彼岸の時期は何かしら事件があります。季節の変わり目、変化を強いられているようで、否応なく人生が迫ってきます。

病気知らずの私が今回体をこわして、40代のテーマは「健康」かも、と思いました。(本質的には「女性性」がテーマと推察していますが)

それぞれの年代にテーマがあって、20代は自我、30代はお金のことを考えていました。40代の今は健康がテーマというのは、自然な流れかも知れません。そして根底では人間関係、自分自身との関係、詰まる所「ひとの心」がテーマとして流れている感じでしょうか。

こうやって意味を見出していないと、ぼんやりして迷子になってしまいそうで。

制作、順調です。








初夏のグループ展に向けて

Oil painting,F6(410x318mm)
2021’


2021/03/24

退院しました

 

おかげさまで退院しました。

一週間ほどの入院でした。

経験したことのない症状で、しぬかもしれない、死にたくない、と思い、自宅にいた私は自分で救急車を呼びました。婦人科の疾患による重度の貧血でした。

毛玉だらけのセーターに作業用ズボン、引っ詰め髪にメガネ姿の私は病院の中を車椅子に乗って移動していました。こんな時でもじぶんの格好を気にするんだな…恥ずかしくて、心細くて、怖くて、惨めに思えて…無意識に涙がずっと出ていました。

病院では手厚く治療して頂き、おかげさまで元気になりました。輸血までさせて頂きました。有楽町駅前で見掛ける、献血のお願いの呼び掛けを思い出し、血を分けてくださった見知らぬ誰か様に感謝しました。私も誰かにこの恩をお返しする生き方をしていこう…と。

退院出来て良かったのですが、これからの治療について、よく考えて選択していかねばなりません。

選択。そう、人生は選択の連続。朝はパンかご飯か、この積み重ねが身体を作っていくように。

そして、今まで何となくボンヤリとさせていたものと、いよいよ向き合わなければなりません。

これは私の人生の宿題であり、ひとの心に届く作品を作る上で、欠かせない要素になることでしょう。大げさかな。

ご心配をしてくださいました関係者の皆様には、深く感謝申し上げます。

そして、医療従事者の皆様には深く感謝申し上げます。「背中を拭きましょうか?」そんな些細な一言が、どれほど有難かったか。

それから、

悪夢にうなされてホラー映画のような寝言を言っていた私に驚いて、看護師さんを呼んでくれた同じ病室のおばちゃん、ゴメンね。びっくりさせてしまいました。

点滴の跡がまだ痛いです。

皆様どうかご自愛ください。

2021/03/18

女はつらいよ

山田洋次監督の「 男はつらいよ」という映画が好きで、地上波でよく観ています。

突然ですが、昨日、緊急入院をして、今入院中です。世間は春、アートフェア東京。私は病室のベッドで、点滴に繋がれて。

ふと映画のことを思い出し「男はつらいよ…女だって辛いよ、笑えない辛さだよ、トラさん…」

涙が溢れてきました。

冷蔵庫の中のこと、生活、家族、洗ってない絵筆、そんなことばかり気になります。


初めての入院です。

2021/03/09

散歩

 先日久しぶりに谷根千を散歩しました。

千駄木で用事を済ませ、さんさき坂を登り、上野公園を抜けて、古い喫茶店へ。雨上がりで寒くて人通りも少なく、曜日のせいか閉まっているお店が目立ちました。街がやる気を無くしている、そんな感じすらしました。それでも頑張って営業している馴染みの店を見つけると、ホッとして嬉しくなりました。

緊急事態宣言が延長されましたが、仮に解除されても私の生活は然程変化しないのでは。不安いっぱい、夢いっぱいで、自分に苛立ちを覚えます。

がんばろう。

たぶん踊り場

 新たな局面を迎えている気がします。今までのやり方には戻れず、進むしかなく、どうコマを進めていいか、思案しています。

たぶん今、踊り場にいます。

すべてはご縁なので、淡々と絵画を追求していけば、自ずと道は開けてくる、はずですが、思うように動けず、自分にイライラし、エネルギーを消耗し、ブレまくっておる次第です。


2021/03/07

人物の描写について

 私にとっての人物描写について

人物の顔のバランスを整えて可愛らしい表情を持たせることは、絵を見てもらうための「仕掛けのひとつ」に過ぎません。描かれた人物が「かわいい」や「キレイ」というのは表層に過ぎず、それは作品の本質ではありません。作品を芯から読み解いて頂いた時、何が描かれているか、これが私の作品の本質に当たります。私には「それ」を描く使命があり、そこを探究していかねばなりません。





2021/03/05

恥をかかされるのは嫌だなあ、

ある人とのやり取りで「恥をかかされたこと」を根に持っていましたが、少し視点をずらして、相手は私の心情を受け止める器が無かった、小さいヤツだったのだ、と転換して、私の中でざわめいていた「恥かき物語」を終焉させたいと思いました。

本心を打ち明けるときは、相手を選びましょう。度量を観察しましょう。と、勝ち負けにこだわる小さなわたくし。やれやれ。

2021/03/04

ひな祭り


ひな祭り。当時私の家にも、立派な雛人形や日本人形がいくつもあって、この時期になると祖父母が飾ってくれました。今日は楽しいひな祭り。

「日にちを早く飾り過ぎては早く嫁入りしてしまう、ゆっくり片付けすぎると嫁入りが遅くなる」…ただの迷信ですが、祖父母からの言い伝えは、いつか呪いとなり、小さな私の潜在意識に刷り込まれました。華やかな雛人形を飾ってもらうのは嬉しいはずなのに、ある時期から、暗に女になることを強要されているような、何か窮屈な空気を多感な少女は感じていました。

…ああ、昔の家を思い出します。畳の感じとか、祖父母と過ごした時間など。


時は令和。

ひな祭りや端午の節句が、ハロウィンみたいに変容していけば面白い。バレンタインがもはやチョコ好きの祭典、友チョコが主流で成りつつあるように。ひな祭りは、女性性の解放の日、女装祭りのような。世界中のあらゆる素晴らしい人形を紹介するような。

私も思い切り女装して、女を演りきってみたいものです。


2021/03/03

犬も歩けば

 犬も歩けば棒に当たる人生でした。

発表する画廊をどうしようとさまよい歩いて、たまたま入った画廊の主に個展をしませんか、と声をかけられ、それから今日まで世話になり…。これから収入をどうしようと悩んでいた時、たまたま行った画材屋の店主にバイトしませんか、と声をかけられ、結局6年も世話になり…。お茶をしようとうろついて、たまたま入った喫茶店で…ほいほいほい。と、私はこれまでの人生で、たまたま行った先々で救われる幸運を何度か経験してきました。窮すれば通ず。それには、歩くことです。歩けば何かに当たる。きっと宝くじ以上の恩恵です。歩きましょう。もう春ですね。

2021/03/01

白昼夢

 

月に一度有るか無いかですが、密かに喫茶店の手伝いをしています。アルバイトの方がお休みで他が見つからない時などの臨時要員として。時々なので、動きも悪く、食器洗いやお客さんから注文をとるくらいで、まさに猫の手、絵描きの手。じぶんには向かない仕事と自覚しつつも、これもご縁、役回りとお引き受けしている次第です。

店主から「近所のパン屋さんににパンを取りに行って」と指示があり、エプロン姿のままひょいと商店街に出て外の風に当たると、なんだか奇妙な気分になります。「喫茶店で働くエプロン姿の私」が商店街を歩いている…非日常的なことだが、もうひとりの私にとっては「日常」なのでは…ここは、パラレルワールドなのか。これは私が選ばなかったもうひとつの私の人生なのではないか…?絵描きでない人生。喫茶店で働いている人生。街に溶け込み、穏やかで、油絵の具のにおいを知らない人生…。

束の間の白昼夢。2本のパンはけっこう重く、形を崩さないよう慎重に運びます。パラレルワールドはいくつもあって、同時進行しているとか。

次はどこへ行こうか。