『旅の思い出』oil, cotton on panel.2026’

2026/10/03

糸電話


観劇の「感想フォーム」に

感想を書き込んだ。


「送信」

ボタンを押したけれど、

ちゃんと送信されただろうか。

私の感想はちゃんと届いているだろうか。



終演後、

じゃましたくなかったから、

声掛けずに劇場を後にしてしまった。

たくさんの観客が

役者さんや関係者と会いたがっていた。


ひとりになりたくて

伯爵っていう喫茶店に入って

コーヒー飲んで

芝居の感想をスマホに打ち込んでいたら、

さっき観た公演の演出家から

電話がきた。


曲がりなりにも作家どうしの、

まるで細っそい糸電話のようだった。


ありがとう〜

って。


こちらこそありがとうだ。

(うれしい)


まるで「生存確認」みたいな電話だ。

お互い表現者として生きてるよね?

とでも言うような。


先輩は劇作家を続けていて

私は絵描きを続けている。

それは、私の小さなドラマだ。



送信した感想はちゃんと届いているだろうか。


届いてないなら、

それは届く必要の無い感想なのかもしれない。

無性にかなしくなって、

とぼとぼと池袋駅前を歩いた。

もうここに、自分の居場所は無いと思った。

なんでそう思ったのかはわからないけれど。


次回の公演はいつだろう。

私にできることは、

楽しみに待つことだけだ。