ひとりうた会、2023春分
どこ行けど
手垢の付いた場所だから
きみと歩いて
更新するの
羽閉じて
キッチンに立つ毎日を
しあわせなどと気安く言うの
会うことの
なかった義母にお彼岸の
手向ける花はじょうぶな雛菊
大江戸線の
エスカレーターすごすごと
駆け降りるのは
意気地なしの背
恋すらも
知らぬ十四のあたしらに
暗記テストか
百人一首
人知れず
こさえた絵画に名を付けて
ひみつの部屋で光輝け
今ここに
きみがいたなら見栄張って
服靴ネイル
白髪の無い髪