2023/03/19

うた会、2023春分


ひとりうた会、2023春分




どこ行けど

手垢の付いた場所だから

きみと歩いて

更新するの




羽閉じて

キッチンに立つ毎日を

しあわせなどと気安く言うの





会うことの

なかった義母にお彼岸の

手向ける花はじょうぶな雛菊





大江戸線の

エスカレーターすごすごと

駆け降りるのは

意気地なしの背





恋すらも

知らぬ十四のあたしらに

暗記テストか

百人一首





人知れず

こさえた絵画に名を付けて

ひみつの部屋で光輝け





今ここに

きみがいたなら見栄張って

服靴ネイル

白髪の無い髪