2020/12/31

2020年もありがとうございました

 今年も有難うございました。

応援してくださった皆様、支えてくださった皆様に心より感謝申し上げます。

誰にとっても大変な一年でありました。

私は2月に個展を開催して、その時はまだ他国で流行している病…気をつけないと、くらいの感覚でしたが、個展を終えて1週間後には、事態が大きく変わっていました。中国で開催予定だった展示も延期になり、その他の展示も開催はしたけれど、何処か伝え切れないもどかしさがありました。

返って制作は、じゅうぶんに時間がありました。勉強する時間が与えられ、それが作品に生かせたのが面白く、新たな手ごたえを感じました。良い副作用。それが次回の展示「門倉直子の寄り道、姉さんと私」(1/15より開催予定)に表れていればいいのですが。


どうか皆様の2021年が、明るく穏やかな楽しい年になりますように。その「楽しい」の、ほんの一端でも担える作品が作れたら最高。

2021年もよろしくお願いいたします。

ありがとうございました!


門倉直子 拝




2020/12/23

ショップを開設しました


門倉直子の過去作品をご紹介しています。

どうぞご覧ください。

https://okado.base.shop


新作はリアルギャラリーへお問い合わせください


ギャラリー椿

アートスペース羅針盤

アート☆アイガ

 

よろしくお願いいたします。





2020/12/15

今日に限って

 DM作品の締切とか、展示に関わる大事な期日が迫っている時に限って、頼まれ事とか生活に関わる無視できない事、が立て込んだりします。

そんな追い詰められた時は、心のなかでユーミンを歌い、神経を和らげます。

今日に限ってー

ほんとにどうしてこんな切羽詰まってる時に限って、重なるのでしょう。

「まったくも〜!"今日に限ってー”」

これは修行だ、これぞ師走だ、とじぶんを納得させて、延ばしてもらった締切は守りたいと思います。



2020/12/11

映画鑑賞

映画「ミッドナイトスワン」を鑑賞しました。

感じたままに大事に心に留めておきたいような作品。心が震えました。

14歳の少女、一果がバレエを通して輝くことで、ふたりの「母」の「魂」が救われていく…そんな側面もある物語と私は感じました。(そうあってほしいという私の希望でしょうか)

「母」の愛とエゴとが隣り合わせに在るような、そんなシーンも何気なくあって、それがまた魅力的と感じました。


もう10年以上昔ですが、内田監督の映画の宣伝チラシに、絵を使って頂いたことがあります。その作品もジェンダーがテーマでした。

また映画に関わりたいという思いが湧いてきました。映画って本当に素晴らしい。ほんとにそう思いました。




2020/11/18

夕焼けの銀座

土曜日の夕方、京橋の警察博物館辺りから銀座に向かって中央通りを眺めると、オレンジ色の夕焼けの中に銀座のネオン街がきらびやかに輝いていて、その景色は「個展搬出後の心細さ」の思い出を呼び起こしてくれる。

当時、もう15年くらい前になるけど…、個展の真っ最中というのは、世界の中心にじぶんがいるような感覚で、もう、ハレだった。ところが一歩画廊の外に出れば、誰も私の作品など知らない、銀座のあの景色がちっぽけな私をあぶり出してくれて、それがまた良かった。肥大した自我を程よく調整してくれた。小さな自分を抱きしめて、またがんばろうと思った。個人的な青春。情緒があった。

一週間よくやった、がんばった、と、ささやかな自己満足に支えられて、待っていてくれた友人らと居酒屋に行って軽い打ち上げなどして、孤独にならずに済んだことなど、ふいに思い出す。

センチメンタルで楽しかった。

月日は過ぎて、今はもう、搬出後のあの気持ちは遠い昔話になった。個展が終わっても、有り難いことに作品はそのまま画廊に預かってもらえるし、友人には殆ど案内状を出さなくなったから、当然待ってる友人もいない。打ち上げはひとりで東京駅の古い喫茶店でコーヒー飲んでホッとして、おしまい。生活に戻る準備をする。次回作を空想する。少し寂しい気分だが、この儀式もけっこう気に入っている。


先週、実に14年ぶり?に、京橋のアートスペース羅針盤に、数日間でしたが、作品を展示させて頂きました。急な展示でしたが、嬉しかったです。

あの頃は、不器用過ぎて、むちゃくちゃだったけど、楽しかった。

今も不器用だが、違う種類のむちゃくちゃを体験していて、それを抵抗力にして飛んでいるのかも。

がんばろう。






2020/11/10

飛び入り参加

InstagramやTwitterは、もはや名刺代り…!

と痛感しています、門倉です。

京橋のアートスペース羅針盤のセレクション展に飛び入り参加、展示中です。

タブロー数点を展示しております。

どうぞお立ち寄りください。

よろしくお願いいたします





 

2020/11/04

あの日、あの時、あの表情


 













古傷が癒えてなければ、癒えるまで何度でもしつこく後をついて来る

「過去」は呪いに近い

ちょっとしたキッカケで、嫌な出来事を思い出し、なぜだ、何だったんだ、とモヤモヤしてたら、

ふと、あるシーンを思い出した。

正確には、思い出せた。

あの時のあの表情こそ、あの人の本心なのでは。

本当の心の内を映したであろうあの表情を思い出したら、すーっと癒された、気がした。

あんな…表情が、私のかなしみを洗い流してくれるなんて。









2020/10/30

懐かしい


懐かしいのは自分の気持ち。

ようようここまで来たもんだ。

来春、展示予定です。

よろしくお願いします。


姉さんと私(かごの中の鳥)

333x242mm

Watercolor on paper.

2020’








2020/09/24

より道:「姉さんと私~手紙~」

 


「姉さんと私~手紙~」

333x242mm,

watercolor, color pencil on paper.

2020



2020/09/21

寄り道、あるいは引き出しのひとつ




激動の夏が過ぎ、

制作に没頭していたら秋が来ていました。

お元気にお過ごしでしょうか。


浮世絵や史実を元に、

おいらんと見習いの少女(かむろ)の日常を描いた

イラストレーションの制作を再開しました。

連作です。

過酷な環境にあっても、

日常のときめきやキラメキは、

確実にあった(あってほしい)、

という思いでこしらえています。

本画とは違う画材、画風ですが、

門倉の寄り道、あるいは

引き出しのひとつとして

ご覧頂けたら。

今は、披露目の準備中。

せっかくの寄り道なので、

楽しいことができたらなあと、

試案しています。

なにかアイデアあったら、教えてください。








2020/08/11

清々しく



修羅場は避けられない。

生きていれば理不尽なことがある。

悔しい思いをする。

泣き寝入りしなきゃならないこともある。

正しさだけでは解決できない、

「どうしようもない」ことが

この世界にはある。

 

表面が平和でも、

心に負債を抱えることがどんなにきついか。

 

臭いものにフタをして、

臭いものを抱えていきていくのだろうか。

まっぴら御免である。

 

日々の心労も、

集中して作品が描けたら、報われ、浄化された。

最近頂いたコミッションワークの依頼に

心理的に救われた。

流れに乗って土台を描けたので、

なんだか清々しい…!

完成を目指す。

 

絵画することを道しるべに、

出来るだけ誠実に、

清々しく生きようと思う。

その努力を惜しまない。


2020/08/08

思いがけない変化の中で

 



個展

「新しいシナリオ、新世界の手前」

無事終了しました。

応援くださいましたすべての皆様に、

深く感謝申し上げます。

有り難うございます。

 

奇しくも私は、新しいシナリオを手に入れ、

新世界に突入しました。

人生、何が起こるかわからない。

まったくの想定外は、

新しいステージへの地図になることでしょう。

 

また、新作でお会いできますように…!

 書きたいこと、たくさんあるけど

このへんで。

有り難うございます

 

門倉直子 拝

 


2020/07/25

7月のつれづれ




気に入っていた整体院に行かなくなった。

ウイルスが怖くて。お金の都合がつかなくて。

表向きの理由はきっとこんな感じだが、

本当の理由は思いもよらない別の次元にある。

無意識に避けてしまう理由がある。

 

なにやら外が騒がしい。

様子がおかしい。

社会的な変化は個人的な変化と連動している。

本性の露見。

どんなに立派な略歴や肩書を持っていたって、

精神的に未熟であれば、残された人生、

精神的成長のために費やさねばならない。

それを怠ればツケは膨大だ。

避けて通れない。

苦しくても向き合わねばならない。

 

占星術を勉強する。

誰かのホロスコープを読み解く。

持って生まれた宿命と、純粋ゆえの残酷さに

言葉を失う。

私たちは、私たちが考える以上に

ダイナミックな存在だ。

 

作品のテーマやイメージが

生まれるときの感触はたいへん繊細で、

これをひとに説明してしまうと

制作まで気持ちが持たない。

作品の本質から遠ざかるような。

仕上がるまで、秘密の聖域を守る。

天使など描かない。

地に足の着いた者しか描かない。

 羽を生やしたところで天使にはならない。


出来るだけ好い作品を残していくことが、

今のところの、私にできる真の意味での

社会貢献と思う。真の意味での。


の作品を扱ってくれる画廊や

作品持っていてくださる方々、

応援してくださるひとは

私にとって偉大な協力者で、

最上級の感謝を申し上げたい。

 


個展開催中です。

artaiga.com




どんな絵を描くんですか?の回答




どんなお仕事されているんですか?

絵?漫画家とかですか?

どんな絵を描いているんですか?

 

という質問をされて、

適当にかわせばいいものを

真面目な私はマジで答えようとしてしまい、

しどろもどろ、

なんてゆう場面に何度も遭遇してきた。

 

アートシーンにまったく縁のない人に

作品の説明をするのは難儀だが、

せっかく私と縁してくれたのだから、

サクッとひと言で伝わる

気の利いた回答をしてみたい。

 

どんな絵を描いているんですか?

 

「人物をモチーフにした半抽象の油彩です。」

 

つまらない。

これでは興味をもってくれないだろう。

インスタグラムのページを見せればいいのに?

 

そういうことではないのです。




2020/07/04

「新しいシナリオ、新世界の手前」によせて




‐新しいシナリオ、新世界の手前‐


早く目を覚ましたい。

この世のすべてを見通す目を養いたい。

新しいシナリオに、私なりのメモを書き込みたい。

 

***********************

 

 

2020年の春は、誰もが忘れがたい季節となりました。

私は不安と恐怖から、

世界の景色が一変してしまうように感じていました。

「新しい世界になるんだ、もう終わるんだ」

という体感がありました。

正直なところ、ずっと以前から、

それを望んでいた気さえしています。

とてもとても生きづらい世の中だったから。

 

現在進行中の2020年は、

私たちに大きな変化をもたらし、

新たな気付きを与えています。

私はその幾つかを生かして

新しいシナリオを手に入れたい。

そこに、私なりのメモを書き込み、

この世界への理解を深めたい。

 

これは空想でしょうか。

 

生活の中で、静かに感じたことの幾つかを

絵画と言葉にして、表現しました。

どうぞごらんください。

 

20206月 門倉 直子


2020/06/27

神田日勝




浪人時代、予備校の講師から

「あんまり教えたくないんだけど」と

前置きされて、

「参考になるから」と教えてもらった

画家の名は、神田日勝でした。

 

高揚しました。

私は神田日勝がどんな画家で

どんな絵を描くのか調べるため、

池袋の大きな書店に足を運び、

美術書のコーナーで

「神田日勝」を探しました。

 

いくら探しても図録は無かったのですが

美術年鑑のような雑誌から

「神田日勝記念美術館」の存在を

探し当てました。

当時はインターネットが無かった()ので

手間を掛け時間を掛け、

本屋でそれを探し突き止めた瞬間は、

たいへんエキサイティングで

ドラマチックな体験でした。

 

神田日勝記念美術館の住所は北海道。

北海道に行きたい。

北斗星という夜行列車に乗って

北海道に行こう。

私は北海道に行く計画を立てました。

 

行けませんでした。

浪人生、お金も勇気も時間も無い、

と言い訳して、

思い切りのいい行動に出れない

小さな自分を少々情けなく感じました。

 

しかし浪人生、

図録を美術館から取り寄せることにしました。

美術館に電話を掛け、

図録を2冊取り寄せました。

少しだけ苦労して取り寄せたその図録は

私にとって秘宝。

 

衝撃を覚えました。

そして深く感動しました。

 

当時19か二十歳の私は、

先ずその技法にクギ付けになりました。

絵の具そのものが

モチーフの質感を表現する様子や、

鮮やかな青や赤の差し色の使い方、

ナイフの使い方や画面構成…。

 

穴のあくほど図録を眺め、

研究し真似をしました。

(もちろん馬ではなく人を描いていました…)

 

私にとっての神田日勝は

「浪人時代に出会って、

その技法に魅了され影響を受けた画家」

でしたが、

 

20206月。

東京に来てくれた神田日勝展を

ステーションギャラリーで拝見して、

認識が一変しました。

 

馬が描かれた作品を観て、

19歳の時分には感知出来なかった

とてつもない何かに圧倒されました。

 

当時も大好きだった馬の作品は、

迫力があり圧巻でした。

あの頃は

技法にばかり目が行っていましたが、

もっと深いところで、

この作品群に惹きつけられていたと

時を経て気付きました。

 

この時世、入場制限があり

チケットを事前予約せねばならず、

少々手間と時間を掛けて

ステーションギャラリーに

足を運びました。

 

東京で実物を観れたことに、

深く感謝しています。

 


2020/06/21

展示会予告とコロナ対策




7月中旬ごろ、
展示会を予定しておりますが、
自粛は解除されたとはいえ
蜜になる状況は避けたく、
対策をとる考えでおります。

マスク着用などはもちろんですが、
多数のお客様にDMを送るのを
作家側は控えたいと考えております。
積極的なご案内を控える方向です。
画廊からの案内をお待ちいただければ
幸いです。
何卒ご理解賜りたく存じます。
よろしくお願いいたします。

門倉




2020/06/20

学生時代の挫折のこと



高校卒業の時、

美大芸大の全ての受験に落ちた私は

まったく自信を喪失していました。

 

それまでそこそこ、

それなりにやってきたので、

人生初の挫折に呆然としていました。

浪人するつもりがなかったので、

その状況を受け入れられず苦悩し、

ぼんやりと世界を漂っていましたが、

浪人生活は思いがけず楽しいものでした。

通っていた研究所(予備校)の仲間のおかげです。

そして受験絵画を頑張りました。

 

ひとつ技法を獲得すると得意な気になりました。

絵よりも、我が前に出るようになりました。

頑張ることに酔ってしまって、

作品がまったく見えなくなりました。

絵を描くじぶんはとても特別なのだと

勘違いをして、

謙虚さをすっかり失っていました。

 

冬を越え春を迎え、

芸大の合格発表を見に行って

自分の受験番号が掲示板に載ってないと分かった時、

とてつもない巨大な拳に

頭をぶん殴られたようでした。

現役時のそれとは比べ物にならない程、

強烈でした。

私は予備校の仲間と共に

呆然と立ちすくんでいました。

掲示板を何度見ても

じぶんの番号はありませんでした。

 

頑張って頑張って、クラッシュ。

 

私の中ですくすく育っていた傲慢な心は

「不合格」のおかげで打ち砕かれ、

再起不能なほど落ち込みました。

 

何も食べられなくなりました。

と思ったら、今度は過食。

太らない体質の私が太りました。

身体が重くずっしりと感じた時、

私ではなくなってしまう感覚、

身体を乗っ取られる感覚があり、

これはまずいと、

二浪することを受け入れ

再び受験絵画をがんばりました。

 

2年目ともなれば、

さすがに絵も上手くなってきましたが、

少々投げやりな気持ちもあり、

賭けのような受験を選択しました。

もう精神が追いつけなかった。

自分で選んだ道にもかかわらず、

受験絵画から解放されたかったのが

正直なところでした。

 

また春を迎えました。

私は「滑り止め」で受けていた

少人数の美術専門学校の入学式に

屈辱と安堵の気持ちで出席していました。

劣等感でいっぱいでした。

それを悟られたくなくて、

先生に笑顔で挨拶して校舎に入りました。

 

年下の同級生の無邪気さは、

私のアンビバレントな感情を刺激しました。

とても優しく接してもらえました。

「ふつうの学生」気分を味わいました。

 

私は在学中から作家活動を始めていました。

それが私の光でした。

画業が私を精神的に支える軸になりました。

 

しかしながら、

浪人時代に培われた私の生意気な態度は

優しい同級生らを傷つけ、

最終的に私は孤立しました。

当然の結果でしょう。

プライドばかり高くていやな奴と

誰が友達になるというのでしょう。

 

そのおかげか、

私の居場所は作家活動をすることで

獲得していくことになるのでした。

 

入学式の写真は笑顔。

卒業式の写真はブスッつら。

私のアンビバレントを

見事に表現してくれていました。

 

様々な挫折は、

現在の私につながる人生のスタートでした。

未熟さゆえの苦しみは、成長の苦しみと

今は見ることが出来ます。

ちゃんと過去になっていきます。

書いて「物語」にすることで清算できます。

 

 

新社会人編はまたいつの日にか。

社会人になってからのほうが

もっと大変だけど楽しいです。

 


2020/06/19

中年の危機について




最近、色々考えすぎなのか、

調子が芳しくなく、

なぜ私はこれこれこういう状況に

身を置かねばならぬのか?と、

自らに問うていたら、

なるほど。

 

いま独学で占星術を勉強しているのだけれど

ある星の配置が効いているようで、

言うなれば「中年の危機」。

 

なるほど、どうりで、と納得したら、

元気が出てきて体が楽になってきた。

ならばこの状況を受け入れようと

気持ちがサクッと切り替わった。

闇雲に嘆いていたのが

これが中年の危機か、味わっておこう

と多少余裕がでてきた。

 

「ホロスコープ」は「人生の設計図」らしく、

占星術を勉強することは羅針盤になると感じる。

じぶんがどういう状況かを俯瞰で見るのは大事だ。

縁があったら、プロの占星術師にみてもらいたい。

 

それにしても、「中年」か。

受け入れるとしよう。







 





肉体が無くなった後の縁について


 

知人のAさんが亡くなって、

そのご家族の経営するお店にご挨拶に伺った。

生前Aさんは

ジュエリーや古着などを扱う仕事をされていて、

Aさんのご家族はそのジュエリーのいくつかを

私に見せてくださって

「持って行って」と勧めてくださった。

 

私が頂いてしまっていいものか、

もっともっと親しくされていたお友達は

たくさんいらっしゃるのに、

私なんぞが頂いてしまっていいものか。

とてもとても恐縮してしまったが、

シルバーの指輪がとてもステキで、

「いいんでしょうか、いいんでしょうか」

と戸惑いながらも、

指輪を試着させてもらったら、

すすすすす…っと指に吸い付くように

フィットしたものがあって

「なんだ、なんだこれは!吸い付く!」と驚いて、

その指輪は抜けなくなってしまい、

そのまま頂くことになった。

 

「いいから持ってきなよ!」と

Aさんの声が聞こえ、るようだった。

 

Aさんとはほんの数回会話を

交わしたくらいだったけれど、

とても印象深い女性で、

ほっそりとしていてオーラの強いひとだった。

思いがけず指輪を頂いて、

心理的なタイミングなんかもシンクロして、

妙な縁を感じずにはいられなかった。

肉体が無くなったあとにも、

魂と縁することが出来るのだ、と

発見した気になったが、

美術や文学、音楽もそうじゃないか。

 

作品は時空を超えて誰かとご縁していくのだと

作り手として静かに希望が湧いた。

 

結局、ふたつも指輪を頂いてしまった。


2020/06/09

6月になって




「とても大変」であるはずの自粛で、

不安でしたが、

図らずも「理想の生活」に近い状態を体験してしまい、

堂々と引きこもっていられることが

正直ラクにも感じていました。

イライラすることが激減しました。

これは発見でした。

 

こうなると、生き方、働き方、

元通りにはいかないでしょう。

作品にも当然変化が。

いよいよという思いです。







2020/05/15

今日の雑感




ロバート秋山さんの

クリエーターズファイルという

お笑いの作品を観たら

何だか私も

画家を演じているだけの気がしてきて

可笑しな気分になってきた。

観るものすべて

クリエーターズファイルに見えてきて

すべてが茶番のような感覚になってきた。

可笑しい。



2020/05/10

発熱





重い生理痛で寝込んでいたら

夜、37度台の発熱をしてしまい、

あわてた。


幸い、翌日には平熱に戻って、

味覚障害や、風邪の症状も無いので

ホッとしてはいるが、

万が一ということもあるので、

元気でも一週間は外出しないつもり。


貴重な出勤もお休みをもらい、

迷惑をかけてしまった。

食材は予め冷凍保存しておいたので

困らずにすんだ。

家族に買い物を頼むにしても、

何かと限界がある。



孤独のアドバンテージ、などと

偉そうなこと書いてしまったが、

こんなちょっとした不調の時でさえ

ひとに助けてもらわなければ

生きられない。



ポカリと果物のゼリーは

常備しておこうと思った。



2020/05/04

孤独のアドバンテージ





食材を買いにスーパーに出掛けた。

不要不急の…とこれだけ呼びかけていても

仲間と一緒にぷらぷらスーパーの中を

歩いている若い女の子の集団。

楽しそうにはしゃいでいた。

おどろいた。



この子たちは、

孤独に過ごすのが怖いのではないか?

誰かにウイルスを感染させてしまうより、

仲間の誘いを断ることのほうが

仲間はずれにされたり

よっぽど恐ろしいのではないか…?



このウイルス騒動で

いろんな人がいるもんだと

つくづく感じる。


今は、孤独に強いひとが優位と思う。

「ぼっち」でいられるメンタルはカッコイイ。

ともだちの誘いを

断ることの出来たあなたはカッコイイ。
あの集団に加わらなかった誰かを
想像する。









2020/05/01

アトリエを素敵な作品でいっぱいにしよう






昨日は大変な憂うつで、

ひどいものでした。
毎度のことです。




家にこもるのは、

個展を目前にする絵描きにとっては

追い風のようにも感じますが、

展覧会ができるのだろうか、

という不安、

は置いといて、

与えられているアトリエの中を

素敵な作品でいっぱいにしよう

と、希望を見出すことが出来た

五月の初めです。



じぶんの思う好い作品をひたすらに。

新しい靴を買って、

どこかに逃避行するような気分で。

家にいてもそんな気分で…!















2020/04/26

生きる気力




このまま美術館に行けなかったら。

外出自粛が解除されても、
私は用心深く外出を控えるだろう。
きっとしばらくの間は
美術館には行かれないだろう。

窓越しに日光浴をして、
コーヒーを飲んでみた。
気分良かった。

じぶんと向き合う恐ろしさを
家族と向き合う恐ろしさを
皆うっすら感じているのではないか?
家にこもると向き合わざるをえない。
逃げ場がない。

なぜ自分はここに居て
誰かの世話をしているのだろう‥と
壮大な夢をみているような、
目が覚めたら、ぜんぶ夢であるような。

きつねにつままれ続けているような日常を
素直に喜び哀しんで、笑いたい。

絵画よ、そばに居てくれてありがとう。















2020/04/19

命綱




今日は天候も手伝って(雨!)
制作が進みました。
おかげで気分も晴れやか。
生き生きとした気分です。

制作はまさに、
この世にとどまるための命綱、
と言ったら大げさでしょうか。
しみじみとそう思うのですが。


2020/04/18

道徳がひとを苦しめると台所で悟った体験





春のウイルス騒動とはべつのところで

期せずして学びは突然発生するものです。


好きな人を好きで居ていいのなら、

嫌いな人を嫌いで居る自由も

当然にあります。



嫌だなと感じる感性も

大事にしようと思いました。

感性は安全装置のようなものです。

仲良く」に苦しんでいたのだ。
ということが
台所でパーンと来ました。


作文はストレッチのようなものです。





中庸という言葉がすきです





毒にも薬にもならない稚文に

お目通し頂き、有り難う存じます。

最近、ブログ更新の頻度が上がったのは

時間があるからではなく、

やはり不安なのです。

言葉にすることで、

または自分に言い聞かせることで、

落ち着かせています。



中庸であること。

ゼロポイントに心を置けるように。



今日もこもって制作していました。

(このままだと、向こうの世界に

行ってしまいそう。うーん。)




2020/04/17

新世界の手前





ひとの意識や社会システムが変わらない限り、

この騒動は収束しないのではないか、

などと、憶測してしまいます。

今は、「新世界の手前」なのでは。
(というタイトルの絵を描きました。
ツイッターでご覧ください)


ウイルスは暦通り、

ゴールデンウィーク明けたら

活動を終わらせてくれるのでしょうか。


自粛は続くでしょうし、

少なくとも私の意識は

「外出は怖い」

に洗脳?されてしまいました。


買い物も命がけ。

電車に乗るのも命がけ。

ひとに近づかない。避ける。

空いていても、

神経質に振舞ってしまいます。




外は青空。

楽しい春はどこ行った。

絵を描けることは救いですが、

画廊で個展をすることは

今後どんな位置付けになっていくのか。


現物を見た時の高揚感を
届けることが出来るように
作品、準備しておきます。









2020/04/11

刀を研いでおけ





画廊さんと電話で展示の打ち合わせをしました。

予定通りなら、7月に展示があるのですが

先延ばしになる可能性もあると。


「刀を研いでおけ」と言葉を頂きました。

このひと言が、

今の私にとてもフィットしたというか、

サクッと刺さりました。



もちろん「準備しておいて」

という意味ですが、

(と説明するのも野暮ですが)

この、神に肩をたたかれるような感覚は、

心身に刻んでおきます。







2020/04/09

吹っ飛んだ3月




日常を少しづつ奪われていく感覚。
当たり前に利用していた
年中無休の喫茶店が休業というのは、
なにか恐ろしく、悲しみがわいてきました。

明日は仕事に出かけねばなりません。
閑散とした街を見ることになるのでしょうか。









2020/04/08

気が付けば4月の雑感





スーパー満月に緊急事態宣言。



普段からこもって制作し、

友人も少ない私にとっては

外出自粛はさほど苦ではありません。



しかしながら、生活せねばなりませんし、

家族の健康のこと、家族の仕事のこと、

気がかりです。

(自分の商売は、

これまでもしょっぱかったので、

引き続きしょっぱい、

あるいは更にしょっぱいどうしよう、

という感じです)



大変な時代に突入した、

そして後戻りできない、

「以前」と同様の世界は、もう無いだろう、

と、感じています。

後ろ向きでも前向きでもなく、

新しい世界を獲得するしかないと

感じています。

新しい価値観で生き抜いていきたいです。



お日様は有難いです。

ぽかぽかして暖かいです。


2020/02/09

あなただけこんばんは







「あなただけこんばんは」

こんな前口上で始まる菊池成孔さんのラジオが

だいすきでした。

何年か前に終わってしまったけれど、

今も心に残るラジオ番組のひとつです。





あなただけこんにちは、

リツイートもいいね!も無いこの場所でなら、

ゆっくり本音が言えるかも、と

期待を込めて。



個展も折り返し地点を迎え、

おかげさまで、

たくさんのお客様にご覧いただいており

感謝申し上げます。

私の拙い説明に耳を傾けてくださり

ありがとうございます。

出来るだけ正確に

嘘なく伝えようとすればするほど、

言葉に詰まり、身振り手振りの

ノンバーバルコミュニケーション。

内心、あきれていらっしゃるのでは?と

恐縮しつつも、

お時間をくださる懐の深さに

感謝する次第です。

ありがとうございます。





昨年のことを少しだけ。



令和の時代を迎え、

私生活にも変化があり、

私はストレスで体を壊していました。

エネルギーを吸い取られる、

そんな感覚がありました。



制作中は、本当に元気。

エネルギーが沸いてくるんです。

だけど、それ以外の場面では、

疲れてぐったり。

出来ることなら

作品を作る以外、何もしたくない。

しかしながら、

家事や仕事や・・

生活しなくてはいけませんので、

もうへとへと。

このままではもう、

身が持たない。



絵を描き続けるために、

私は今の生活の取り組み方や

ものの考えを

改めねばならないところまで

来てしまったわけです。

(ただのがんばりすぎなんでしょうが、、)



今、身の丈に合わないほどの夢を抱えています。

制作したい。

画家を続けてしまったこの宿命は、

まるでトランプゲームのババ抜きで

ジョーカーのカードを

最後まで捨てることができなかった、

そんな感覚です。

だけど、そんな宿命に感謝しています。

まったく予想外の面白い人生。

画家人生、続けていきたいです。

だからこその選択をしたいです。





ちょっとしゃべりすぎました。

引き続き、個展、よろしくお願いいたします。また。



2020/01/19

この人生の中で幾度も輪廻




作品搬出に向けて
梱包作業して、
アトリエを片付ける。
またひとつの「シーズン」が
終わったと、ホッとして、
清々しく寂しく、
よくやったがんばった!と
無理にでも納得したいような。

描き始めから作品を送り出すまで、
まるでひとつの人生。
送り出した後は、
「仮の死」を味わう気がする。


展覧会は、
このシーズン、私がどう生きたか、
何を考えたか、を
あからさまにしてくれるに違いない。
それくらい鮮度のある作品でありたい。


個展、よろしくお願いいたします。
これからDMの宛名を書きます。
梱包もこれからです。














2020/01/18

個展のお知らせ!




門倉直子 展
- 世界は色付き私は透明になる ‐

呼吸するように線が描けると、
そこに空間が生まれ、
絵の具自ら絵画になろうとしてくれる、
そんな感覚。

202021(土)~15(土)
1 February- 15 February 2020
11:00AM - 18:30 PM
日・祝 休廊
close on Sundays and Public Holidays.

GalleryTSUBAKI/GT2

104-0031
東京都中央区京橋3-3-10
第一下村ビル1F
www.gallery-tsubaki.net

綿布に油彩で描く新作を発表。
F100サイズも展示予定です。
新しい展開をどうぞご覧ください。










2020/01/04

あらゆる次元にワープ




年末年始、
さっきまで幸せな気持ちだった私は、
ちょっとしたことをきっかけに
鬼のような気持ちになったり、
かと思えば感謝の念が沸いてきたり。

「感情の流れ」とかではなく、
毎瞬、違う次元に移動している感覚。
この場所に居ながら、
私はあらゆる「場所」に移動している。
そして、時間はつながっていない。
今この瞬間の私だけが存在し、
さっきまでの私は、もう「別人」である。
(それを過去と言うのかも)
そんな感覚を獲得した、
年の初めでした。

今年は個展、海外のグループ展と
鋭意制作中です。
本年もよろしくお願いいたします。