2015/06/25

作品について:明日は少女のようにふるまう




妙な顔して信号を送る。
好きだとか、嫌いだとか。
不可解な感情でさえ、伝えようとする。
 

*****

 
絵画に織り込むテーマは、人に対する私なりのときめきです。
時にそれは、気恥ずかしさを伴い、私の性(さが)を露見させ、
まったく子どもじみた甘噛みのような切なさを内包します。
 
じぶんに突っ込みを入れては泣き笑いし、他愛も無いことに一喜一憂する。
無自覚に狂い、気の済むまで繰り返そうとするその様は、描くには魅力的すぎる人間のおかしみです。
時に一切を止め、聞き分けの良い大人のふりをすることも同じく。
 
100万回やきもちをやいたら、少女は我に返るでしょうか。
感情を味わい尽くしたら、すべてをいとおしく感じる日が来るでしょうか。
 
「あぁ、楽しかった」
じぶんを許し、そう思えたら、私たちは少女のようにふるまうことでしょう。
 


2015年5月 
緑萌える子どもの日に

門倉直子