ことばに出すのは恐しいが、
「時代は変わってしまった」という
しみじみとした感覚がある。
これを肌で感じるのはとても恐ろしい事だが、
これを越えなければ次に行けない。
騒がず、淡々と描いていくということ。
誰かにお伺いを立てないこと。
私が夢中になって描いてきたことは何だったのか、振り返って、その虚しさを感じることは怖い。
白状すると、売ることばかりに気を取られていた時期もある。
売約の数に一喜一憂し…ちょっと情け無い。
作品には、その時々の感情を込めてきた。
粗削りのどうしようもない若さや生々しさ、
それらが今も絵の中で生きているなら、
その作品は良品としよう。
時流にばかり敏感になり、
作品の肝を見失うなら、
いったい何のための絵画なのか。
時代が変わっても、
ひとを芯から喜ばせる作品で在りたい。
作品は好ましい存在でありたい。
ささやかだが、壮大な願いです。