試行錯誤し、新たな表現を模索、
のはずが、ぐるり一周して、
今の表現になってしまう。
どうしてもこれが
しっくりきてしまう。
制作中の作品を見詰めてふと、
「私は、この子らと
ずっと付き合っていくのだな」と
諦めのような気持ちが
沸いてきて、
その諦めを内心歓迎している自分に
驚きました。
「この子ら」とは
描かれた人物を指すのではなく(ここ大事)、
私の中にある「抗えない業」と申しましょうか、
「私のしょうもなさ」を指しています。
こういう絵ばかり描いてしまう
宿命めいたもの、などと言ったら
大げさでしょうか。
誰かになりたいと願い、
背伸びしたところで、
所詮
わたし自身からは逃れられない。
そう感じて、
「こういう絵」しか描けない私と
ずっと付き合っていくのだと。
ああこの、
しょうもないわたくしを
生きていくのだ、と。
…呼吸する間に忘れてしまうような
こういう感覚を、
出来るだけ見逃さず、
とらえていけたらと思います。