六本木で画廊をまわった後、
落語を観に赤坂へ向かって歩いた。
たそがれ時、どうしてグーグルは、
地元の人しか知らないような細く暗い道を
案内するのか…!
(前にもこんなこと、あったような。)
道の途中で心細くなり、
引き返そうかとも思いましたが、
「もう、どうにでもなれ」という気がしてきて、
暗い公園、細い道、繁華街、、と
野ねずみのように走った(うそ、歩いた)。
開場に着くと真っ暗で、
お座敷の会場でしたので、
とりあえず靴を脱ぎ、勝手に(!)上がり込んだところ、
男の方が出てきて、
私は「あ、ごめんください」
と間抜けな挨拶をした。
「あ、、落語会、今日、ありますか、当日券、、」
と尋ねたら、
ありますよ、開場は6時30分からです と、
親切に説明して頂いた。
(早く来すぎた!)
会場のビルの入り口フロアには、
若手作家の現代アートが展示してあって、
私はホッとした。
外国を旅して、日本語を耳にするような、
そんな心持ちがした。
落語会では、私はよそ者の気分だ。
それくらいの関わり方が
私には丁度いいし、気に入っている。
さて、(長いね)
開場時間となり、
恐る恐る、再訪。
会場は、広い畳のお座敷で、
お座布団がゆったりと並んでいた。
常連の熱心なファンのお客さんが
すでにたくさんいらっしゃった。
私も、それに倣って座った。
拝見したのは、
昔々亭A太郎さんという噺家さんで、
なんと5本も上演された。
(不気味な赤子のもう半分という話と、
花魁が藍染め職人に嫁ぐ話が、
ぞくぞくして、ロマンチックで、
聴けて嬉しかった)
お着物も、3回くらい、着替えていた?
どうやらこの落語会は、
シークレットライヴだったらしく、
あまり宣伝せず、コアなファン向けだったようだ?
A太郎さんの独演会は、実は初めてではなく、
他の会場で何度か拝見している。
私は万年にわかなので、、正直、落語のことは、
わかりません。
ほんとうに、わかりません。
ただ、聴いた後、気持ちが好く、透明感があって、
なんとも形容しがたい魅力があるので、
A太郎さんのをつい聴きに行ってしまう。
これは、美術も同じと思う。
「観たあと」に感じる感覚がすごく大事と思う。
音楽も、食事も、喫茶店も、作品も、ひとの印象も。
「後味」が肝要だ。
さて、、(ながいね)
来月、先輩をお連れして、
落語会に行く予定になった。
わたしは、滅多にひとを誘わない。
(誘われたら行く性分です)
だけど、そういう流れになって、
お誘いしたら、そういうことになった。
にわかの私に連れられていく先輩たちよ、、
どっきどきで、楽しみだ。