2020/06/19

肉体が無くなった後の縁について


 

知人のAさんが亡くなって、

そのご家族の経営するお店にご挨拶に伺った。

生前Aさんは

ジュエリーや古着などを扱う仕事をされていて、

Aさんのご家族はそのジュエリーのいくつかを

私に見せてくださって

「持って行って」と勧めてくださった。

 

私が頂いてしまっていいものか、

もっともっと親しくされていたお友達は

たくさんいらっしゃるのに、

私なんぞが頂いてしまっていいものか。

とてもとても恐縮してしまったが、

シルバーの指輪がとてもステキで、

「いいんでしょうか、いいんでしょうか」

と戸惑いながらも、

指輪を試着させてもらったら、

すすすすす…っと指に吸い付くように

フィットしたものがあって

「なんだ、なんだこれは!吸い付く!」と驚いて、

その指輪は抜けなくなってしまい、

そのまま頂くことになった。

 

「いいから持ってきなよ!」と

Aさんの声が聞こえ、るようだった。

 

Aさんとはほんの数回会話を

交わしたくらいだったけれど、

とても印象深い女性で、

ほっそりとしていてオーラの強いひとだった。

思いがけず指輪を頂いて、

心理的なタイミングなんかもシンクロして、

妙な縁を感じずにはいられなかった。

肉体が無くなったあとにも、

魂と縁することが出来るのだ、と

発見した気になったが、

美術や文学、音楽もそうじゃないか。

 

作品は時空を超えて誰かとご縁していくのだと

作り手として静かに希望が湧いた。

 

結局、ふたつも指輪を頂いてしまった。