2023/04/07

個展レポート

 




画廊バナナムーンで開催される個展の展示作業をするために、信州安曇野に行ってまいりました。


今回の個展は、1階の広いメインスペースと小部屋、2階の展示室、この3つの部屋で構成するボリューミーな内容です。

お引き受けするのに戸惑いもありましたが、じぶんの力量を知る良い機会と、開催の運びとなりました。


20229月には、バナナムーンの2階展示室で個展をさせて頂きましたので、そこから半年の準備期間を頂きました。


さすがにすべて新作、とはいきませんでしたが、発表しそびれていた油彩を加筆するなどして、新旧30点余りを展示することにしました。


メインは1003点、これは制作時間や制作場所、搬送作業などを考慮して、アクリル絵の具で制作することにしました。やや消極的理由が含まれていることは否めませんが、久々にキャンバス布を使用したこと、新しい画材に挑戦したことは、ときめきを呼び起こす貴重な体験となりました。

制作中は、私の手に負えないようなエネルギーをどこからかお借りして描いているような体感すらありました。

「あらがえぬエネルギーが心身を貫く」というテーマの部屋としました。


2室のメイン作品は60号のアクリル画です。

100号の「動」に対して「静」のイメージで制作しました。静かに対峙するイメージ、そしてここは「許される場所」。見つめ合う体験をして頂きたい部屋です。


2024年のために制作していた50号油彩の新作は、搬入直前になって展示することを決めました。2階展示室の正面の壁に展示するイメージがふと浮んだからです。

作品のタイトルと部屋のテーマは、個展のサブタイトルをそのまま引用しました。


余談ですが「あそび」の作品、ドローイングの小品も搬入こそしましたが、個展全体のバランスを崩しかねないというアドバイスを頂き、引っ込めました。(これは、私の甘さの表れでした。作品は堂々と勝負する、それで良いのです)


おおよそ大作はイメージ通りの展示になりましたが、中品〜小品は幾つかの可能性を探りながら展示しました。非常に微細で集中力のいる仕事でした。最終的には部屋ごとのテーマが立ち上がってくる構成になったと感じます。

作品どうしのストーリーが共鳴する感覚でしょうか。

画廊の方のアドバイスは、とても勉強になりました。



1:

あらがえぬエネルギーが心身を貫く


2:

私たちは静かに見つめ合えるだろうか


3:

ひみつの部屋で光輝け



たくさんのお客様に見て頂きたい反面、東京の画廊のようにはいかないという現実もあります。

画廊の立ち位置、コンセプトもそれぞれ違います。


作品は残りますが、展示自体は会期が終われば撤収し、消えてしまいます。

それでも時間をかけてエネルギーを費やし個展をする意味は、この機会に作品と出会ってくれた方々の心に何かしら作用するかも知れない奇跡と、これから制作する作品のための鍛錬でしょうか。


あるいは意味など考えず、ただそこに出現したことそのものが大事なのかもしれません。それは「生まれたい」というシンプルな意思に他なりません。


展示作業はたった一日中の作業でしたが、私の頭の中はもう真っ白、フリーズ。それでもしばらく眺めては展示を修正してひと通り作業は終えたものの、冷静に展示を観ることなく、微調整は画廊の方にお任せをしてタイムオーバー。

画廊を後にしました。


その夜泊まった宿は、何となく怖いような寂しいような、いたって普通なような脳は興奮状態、疲れもあって半べそをかくような心細い気分で床につきました。


ところが、なんと翌朝にサプライズ。

室の窓から虹が見えました。

山のふもとから立ち上がり力強く弧を描く虹は、まるで予祝のようで、晴れやかな気分になりました。

そんなことあり得る⁈と。


2023年の個展が始まります。

どうぞご覧ください。


*****


門倉直子 

-ひみつの部屋で光輝け-


2023’4.7()-5.7()

金土日13:00~17:00open


画廊バナナムーン

長野県安曇野市穂高有明3613-32


gallerybananamoon@gmail.com







2023/04/06

東京は葉桜、長野は満開

 2023 4月東京は葉桜、長野は満開




ときめきを

無かったことにするのなら

でたらめのうた

最後の抵抗






日常を

つんざくように新幹線

昨日のことなど

フィクションのように





恥なんて

いくらでもかく

情熱に

フタしてしまうくらいなら





底知れぬ

恐さはどこの森の中

その地に棲まう何者かの声





山頂に

残る白雪私たちは

甘くはないと警めるように





満開の

疲労感を抱きしめて

ちいさな宿の夜はふけてく





旅先で

朝から虹を見るなんて

明日からわたしの個展が始まる





展示作業してきました

 頭の中、まっしろです




2023/04/01

ひみつの部屋で光輝け

 門倉直子 

-ひみつの部屋で光輝け-


2023’4.7()-5.7()

金土日13:00~17:00open


画廊バナナムーン

長野県安曇野市穂高有明3613-32


gallerybananamoon@gmail.com



初挑戦のアクリル画、1003点をメインに、新旧30点余の作品を展示いたします。


「ひみつの部屋で光輝け」 は

占星術で使う私のホロスコープ(出生図)の太陽が、12ハウス(ひみつの部屋、見えない場)に位置していることから着想を得たサブタイトルです。

人知れずとも輝いていなさい、という自分自身へのメッセージでもあります。


SNSなどを通して、自分を誇示したり表現できる時代ではありますが、誰にも発見されていない場所で、宝のように輝いてみたい。

森の中で開催されるこの個展が、そのような存在になることを願います。





ゆううつな春に、昔話と近未来を添えて。

個人的で普遍的な、私なりの真実をここに示したいと思います。

うた会2023 4月の旅

 うた会2023 4月の旅

門倉直子




クロネコに

作品託し見送れば

広くなった作業場で寝る





4度目の

新幹線はかがやいて

ちいさな画家は信州へ向かう





いくつかの

封印してた感情は

旅の途中でこわれて消えた





一瞬だけ

垣間見せてたあの表情(かお)

あなたの本心と

確信している





コーヒーと

サンドイッチさえあれば

何でも出来ると

背もたれたおす





先に逝く

同い年のオレンジスターに

「ずるい」と思った

38才の吾





うたくらい

好きに詠みたい気持ちだけで

うたえるのは今だけだから





あの山を

眺めて育った人たちと

川見て育った

わたしが出会う





恥ずかしい

なんて気持ちは消え失せて

溢れてくるは

幾千の恋





じゃこと大葉の

パスタ美味しく出来たから

帰ってきたら作ってやろう





白い壁に

私が描いたはずの画は

他人の顔して手を離れてく






準備して

展示して見せてまた描いて

生きて死ぬのを繰り返すように





またひとつ

物語りの終焉を

迎えるけれどやり残しだらけ






意外にも

こぶし効かせて描いた画は

展示してみると拍子抜ける






次に描く

画の大きさやイメージを

思い描いて途方に暮れる